人間失格の感想です。正直これは感想を書くべきか迷いました。人間失格を読んで、もちろん感想はあるのですが、分からない部分が多すぎて理解しているとは言えない状態なのです。拙い文章と用地な解釈をお許しください。
目次
感想
私はこの狂人を全く理解できないというわけではありませんでした。我々も人から嫌われないために人前ではいいように繕いますし、嫌なことがあれば逃げたりもします。結局主人公の行動の理由は主人公自身は分かっていないかもしれませんが、この気持ちの延長なのだと思いました。理解できなかったことは、どうしてそれに気づかなかったのか、どうして自分は人を信じられないと信じきっていたのか、ということです。いや、もしかしたら気づいていたのかもしれません。しかし、彼は天性の道化なので自分自身をその道化で騙し続けていただけなのかもしれません。彼のお芝居は上手くいきすぎてきたので、他人から敵意を向けられることがなかったのです。それがなかったから人からの仕打ちに対する恐怖はどんどん膨らんでいき、後戻りできなくなったのかもしれません。
気になったところを幾つか
3枚の写真
言うまでもなくここに始まりここに終わるというものですね。
1枚目は幼少期。気味悪い笑みを浮かべて手を強く握っている写真です。最初手を握っているのは怒っているのだと思っていました。読んでいくと恐怖して震えている描写だと分かります。手を握らせることだけでそこまで読ませるのです。
2枚目は青年期。こちらも笑っています。やはり不気味なままです。内にある恐怖すら外に出なくなっており、遊びを知って人を多少知ったからか、或いは道化で得た経験からか人を惹きつける魅力があるようです。
3枚目は歳がわかりません。これの読者なら道化をする必要が無くなり彼には何も残らなかったということがすぐに理解出来たと思います。それ故に彼にとって道化とはいかに重いものかを察することができるでしょう。私は読んだ時この写真が最も気になりました。
第一の手記
ここは是非父親が悪いという気持ちで読んで頂きたいです。
エピローグですね。主人公が世間知らずということが分かります。そうして、人間恐怖やお道化に関しての説明もされています。
第二の手記
こちらは青年期になります。ここがこの作品の大半の部分をしめることになると思います。今まで悪事に手を染めることのなかった主人公のですが、悪友、堀木の影響もあったのか主人公の悪事が始まります。
情死前の主人公の恐怖が一切書かれていません。作中で何度も死より人を怖がっていた主人公ですが、本当に死に対して恐怖がなかったのかもしれません。
第三の手記
情死未遂後になります。酒がやめられず、酒なしには生きられない生活。しかし、主人公は結婚し、微かな幸せを手にします。それも束の間ある事件により今まで純真無垢だった嫁はすっかり人間不信のような状態になってしまいます。そこで主人公は嫁の持っていた睡眠薬を飲みますが、が死にません。そして、脳病院に入れられることになります。モルヒネも使い、廃人、又は廢人となった主人公はここで「人間失格」の烙印を押されることになります。
ここが本当に分かりません。途中詩が出てくるのですが、考えても考えてもあれが分かりませんでした…
あとがき(人間失格)
視点が主人公である葉蔵から三枚の写真を見ていた人に変わります。ここは最後のマダムの言葉が気になりました。「お父さんが悪いのよ。葉ちゃんはお酒さえ飲まなければ、いえ、飲んでも神様みたいないい子でした。」という言葉です(多分ニュアンスは違います)
まずお父さんが悪いというのがさっぱり分かりませんでした。もしかして産んだこと自体間違いだったとでも言うのかな…とも思っていたのですが、それもしっくりきません。こちらはまだ分かっていません。
神様みたいないい子
これ…主人公がバケモノ扱いされているこの話ですが、今までどんなに悪く言われようと「狂人」「廃人」「廢人」どれも一応は人扱いされているのです。しかしここでは神様と呼ばれています。悪い意味ではありませんが、人扱いはされないのだなと…
あとがき(感想)
この程度の解釈しか出来なかった私ですが、きっと読む人が読めばもっと色々なことが分かるだろうと思います。なにか新たな解釈が生まれたら書き加えていきたいです。