芥川龍之介作、あばばばばです。
かなり短いです。
感想
まず第一に思ったことは
意味がわからない
読み終わっても全く意味がわかりませんでした。どんなに難解な作品であろうとも、作者が何を伝えたいのか、作者は何を感じて作品を作ったのか、などは少しでも感じることができるものなのです。しかしこれにつきましては、一切そういったものを感じることが出来ませんでした。
気狂いの果てに自分の深層心理を殴り書きした。理解など求めていないが、自分の心の中はこんなに混沌とした状態なんだぞ、と伝えているようでした。
ただ、これを読んで一切感じたことが無いというわけではありません。
これを読んで私が感じたことは不気味だと。秀逸な情景描写は頭の中に映像を映し出すようですが、その映像の雰囲気がとても不気味だと感じました。
よく分からない店主や、豹変した女、主人公の心情などそれら全てが詳細に書かれることはありません。やはり不気味なだけです。
それだけでなく、色ガラスに照らされた女の顔がコロコロ変わったりと、情景描写からも不気味な印象を受けました。こういった描写の上手さは一級品です。