ブランド 日本一ソフトウェア
PSPのサウンドノベルです。シナリオライターは書淫でお馴染み深沢豊先生。
深沢豊先生の最後の作品ですね。この記事ではセカンドノベルの感想というよりは作者の集大成の作品としての感想を書いております。
目次
ポイント
シナリオカードを選んで作って、物語を進めていくゲームです。物語を進めること自体は簡単ですが、かなり面倒です。
評価
タイトルの深さ
いつも深沢先生の作品はタイトルに全てを込めたような深いタイトルをつけます。今回も例に漏れず、いや、今まで以上に深いタイトルだったかもしれません。このゲームは最後に出した作品だと述べましたが、これ以上ノベルゲームのシナリオを書くことは無いのではないか。
そう思わせる内容と、それに沿ったタイトルでした。
構成が秀逸
流石としか言えません。こちらの思考を誘導して意表を突く構成は深沢先生の得意技でしたが、今回は少しそれは薄かったと思います。
あれだけそういったシナリオを書いていれば我々も先を読んでしまいますからね…
でも、その代わりに強まったものもあります。
その部分の魅力は他の作品に劣るかもしれませんが、思い返した時に全体としては劣っていない、そんなゲームに仕上がっております。
考察要素が多すぎる
多すぎます。この感想の最後にネタバレ全開で私の最も強く感じたことのみを考察混じえて
感想・総評
これは…悩みますね
前作をやらなくても楽しめるゲームですが、前作をやっていた方が楽しめるので、その点では勧めることはできませんが…かと言ってこのゲームだけの魅力も十分すぎるほど強いので、是非やって欲しい…そんな考えもあります。
深沢先生の作品は基本値段が高いので、やはり実質的フリーゲームの忘れものと落し物からやるべきですかね〜
おまけ(読まなくて良いです)
と、感想はここまで。ここからは書きたいことを書きなぐっただけなので読まなくて良いです。ネタバレも全開です。
セカンドノベルとは
複数の話の上に成り立つ2番目の話、それがセカンドノベルです。そして、その中の話には恐らく彼が今まで作ったすべての話が入っています。彼の全ての話の上、そこに成り立つセカンドノベル。そして、私が驚いたのはその締め方です。
忘れものと落し物は結末は分からないまでも、作者の心の中には結末があるのだろうと感じることができました。
しかし、今回の物語はそれがありません。考察しようと思えばできますが、漠然とそうではない感じがするのです。そして、それはこのゲームの考察であって、セカンドノベル自体の考察ではないと思います。
このゲームの作中には書淫や忘れものと落し物を匂わせるような言葉が出てきます。これをただ、過去作だから出した。という解釈もできる訳ですが、私は「それらも含めてファーストノベル」だと感じました。
そのファーストノベルの上のセカンドノベル、つまり作者の集大成であるわけですが、その集大成に明確な答えを設けず、それを我々に投げた。そこには驚きを隠せませんでした。ああ、そう来るのか…これ程「答え」によって我々を楽しませてくれた作者が最後に答えを我々に投げたことに大きな意味を感じます。