ブランド ライアーソフト
発売元はアニプレックスです。
御伽噺の世界を行き来し、紙魚によって食べられ、読めなくなった所を修復していく。
決して実ることの無い物語、「徒花異譚」
フェアリーテイルシリーズでお馴染みの大石海原ペアですね。またライアーさんで出してくれるとは思っていませんでした。
目次
作画が独特
作品を見て、最初に思うことがこれだと思います。絢爛豪華な和風の作画ですね。
実際この作品は、はなさかじいさん、うらしまたろう、うりこひめ、ももたろう、といったように、日本の御伽噺を舞台にしています。
それぞれ春夏秋冬を代表する御伽噺で、現ルートでは、その季節によって変わる白姫の衣装にも注目です。
物語を書き換える能力
「墨」という代償が必要ですが、物語を書き換えることができます。
夢ルートと現ルートでは、それぞれ白姫の物語の感じ方によってどう書き換えるか変わってきます。
物語の結末を強引に変更するか、物語に寄り添い、辛いことを乗り越えた先の結末を描くのか。それによって、物語の白姫に与える影響が、衣に現れるのではないか、と思っています。
そしてこれ自体が、苦しい現実に向き合っていくか、夢の中に籠り続けるのかろという選択に繋がっていきます。
徒花荒らし
物語をぐちゃぐちゃな結末に変えてしまう徒花荒らし、その正体は、現実の世界で病に苦しむ白姫が一瞬でも思い描いてしまった物語の最悪な結末結末です。
少しずつ現実の感覚とリンクしている部分があるので、そういった所を探すのも面白いです。
感想・総評
良い作品でした。明確な欠点といえば、夢ルートが(えっ、これで良いの?)というまま進んでいき、ラストは感動するものの、夢ルート自体はあまり面白くなかったということでしょうか…作風的には仕方ないのですけれどね。実際夢ルートの違和感も、選択を間違えた結果のひとつなのですから。
その欠点も、作品に深みを与えており、全体を
通してみれば、やはり良い作品、深みのある作品であると感じました。